マブです。
お久しぶりです。
1年以上、放置していました。
毎回言ってますが、今度こそ頑張ってアップして行きます。
ちなみに本ブログでは「㈱太閤染革」の情報も発信しますが、基本的に「マブの個人的なブログ」ですので、あしからず。
「太閤染革」のインスタグラムもありますので、そちらもお願いします。
さて、1年ぶりの再開で何のネタを書こうか?
そういえば前に、とあるテレビショッピングで
「貴重なモラレスパイソンを贅沢に使用したバッグ」
と声高々に言っている放送をみて、
「あれ?、大丈夫?」
と思ってしまったことがありました。
なぜなら、そのバッグに使用している革はモラレスパイソンではなく、ダイヤモンドパイソン。
ネットでパイソンの製品をググってみると、先ほどの例とは逆にモラレスパイソンをダイヤモンドパイソンと表記しているところもあり、ちょこちょこ間違っているのがありました。
こういう間違いはどこで起こるのでしょうか?
例をあげると
「販売店さんに知識がなく、仕入れたメーカーさんからモラレスと言われた」
「メーカーさんは革問屋からモラレスとして購入した」
「どうせ消費者はわからないし、ダイヤモンドだけどモラレスで売っちゃえ」
などなど、どこで間違えたか、わざと間違えたかはわかりませんが・・・
まぁでも、購入する側が正しい知識を持てば問題なし!!
ということで、復活一発目はモラレスパイソンとダイヤモンドパイソンの違いです。
以下、太閤染革HPの説明文より抜粋
★ダイヤモンドパイソン
一般名:アミメニシキヘビ 商業名:Reticulated Python
全身にダイヤ型の連続的な斑紋・模様があるところから、ダイヤモンドパイソンと呼ばれています。皮質の丈夫さや、大きさの点では利用度も高く、他の皮革には見られない美しさと、ワイルド感があります。この種の最大のものは、体長10メートルもあります。
ダイヤ型の斑模様を最大限に活かしたFront Cut Type(F/C) と、蛇腹を活かしたBack Cut Type(B/C) があり、バッグ類、小物類、靴、ベルト等に幅広く利用されています。
生息地は、タイ、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、マレー半島、インドネシア、フィリピン、中国南部等、アジアの熱帯地方に広く分布しています。
先日ペットのニシキヘビが脱走した事件はこのダイヤモンドパイソンです。(写真 wikipedia より)
★モラレスパイソン
一般名:ビルマニシキヘビ 商業名:Molurus Python
全身に不規則な図形模様があり、その個性的な斑紋模様が、ファッション界で人気を得ています。
皮質の丈夫さ、サイズが大きいなどの利点もあり、アミメニシキヘビ(ダイヤモンドパイソン)と共に、ヘビ革の主力として、幅広く各種製品に使用されています。 沖縄の蛇皮線は、この皮が使用されています。
一般的に雌の方が雄より大きく、最大では7メートルに達したものもいます。
幾何学的な斑模様を活かしたFront Cut Type(F/C) と、蛇腹部を活かしたBack Cut Type(B/C) があり、バッグ類、小物類、靴、ベルト等に幅広く利用されています。
生息地として、インド、ミャンマー、タイ、ボルネオ島、ジャワ島、スンバワ島、セレベス島、中国南部等の熱帯地方があげられます。
気性が荒いダイヤモンドパイソンに比べて、とても温厚な性格もあり、動物園などで肩に乗せて写真を撮ったりしている大蛇はこちらのモラレスパイソンです。(写真 wikipedia より)
それでは、ダイヤモンドパイソンとモラレスパイソンを革で比べてみましょう。
まずは「F/C フロントカット」
左はダイヤモンドパイソン 規則的なダイヤのフ模様
右はモラレスパイソン 不規則な幾何学のフ模様
次に「B/C バックカット」
左はダイヤモンドパイソン 蛇腹のウロコの幅が広い
右はモラレスパイソン 蛇腹のウロコの幅が狭い
フ模様を観れば違いは一目瞭然ですが、脱色にすると正直見分けは難しいです。
あえて見分けるとしたら、ウロコの形が微妙に違います。
さて、以上が外見的な違いですが、バッグや財布を製造するメーカーさん視点で見たときにモラレスパイソンとダイヤモンドパイソンの最大の違いがあります。
それは
「モラレスパイソンの方がダイヤモンドパイソンより寸胴」
というのがあります。
これはどういう意味かというと、モラレスパイソンの方がダイヤモンドパイソンに比べて、
頭→胴→尻尾にかけて幅があまり変わらない。
「モラレスパイソンの方が「頭と尻尾の幅」と「胴の幅」と差が少ない」
「ダイヤモンドパイソンの方が「頭と尻尾の幅」と「胴の幅」の差は大きい」
この特徴はメーカーさんからすると、とても重要なポイントです。
いわゆる「歩留まり」っていうやつに関係してきます。
では、ここで検証してみましょう。
(※今回の検証はあくまでも例であって、実際は一枚一枚の個体差があるのでA4とB5の型が必ず検証枚数取れるという保証はありません。)
左がB/Cモラレスパイソン 2.95m
右がB/Cダイヤモンドパイソン 3.45m
同じ31cm幅の革でダイヤモンドパイソンの方がモラレスパイソンより50cmほど長いです。
A4とB5の紙を縦に置いてみました。
少しでもはみ出したら紙を置かないルールです。
結果
モラレスパイソンは A4×6枚 B5×3枚
ダイヤモンドパイソンは A4×5枚 B5×3枚
となりました。
同じ幅のサイズの場合ダイヤモンドパイソンの方がモラレスパイソンより長いので、紙の置いてないところでダイヤモンドパイソンはB5サイズ以下の型を取ることが出来ますが、B5サイズ以下の型が必要ない場合はどうしてもロスになってしまいます。
パイソン革は「m単価」での取引きなので、単価的にはモラレスパイソンの方がダイヤモンドパイソンより少し割高なのですが、製造する製品によってはロスが出ない分、モラレスパイソンの方がお得だったりする場合があります。
もちろん、頭と尻尾の部分で小物を取って、胴部分でバッグを取る場合はダイヤモンドパイソンの方が良かったりもしますが、一般的に
「モラレスパイソンの方がダイヤモンドパイソンより歩留まりが良い」
という特徴があります。
いずれにしても、
「B/Cダイヤモンドパイソンの蛇腹のウロコが広いからバッグを作ると迫力が出る」
「モラレスパイソンのフ模様の方が小物にしたときにバランスが良い」
など、メーカーさん達で作りたい製品によって、使用する革を使い分けて財布やバッグを作っています。
結局はメーカーさん次第ということです。
さて、そんな歩留まりの良い寸胴で使い勝手の良いモラレスパイソンですが、20年ほど前はパイソン革の主流でした。
しかし、現在ではパイソン革と言えばダイヤモンドパイソンが主流です。
ではなぜ、モラレスパイソンが主流ではなくなり、現在のダイヤモンドパイソンが主流になったのでしょうか?
それはいくつかの理由があります。
ちょっと、再開一発目でいきなり長文になってしまったので、続きは次回のブログで。
ちゃんと続き書きますので、今後とも本ブログよろしくお願い致します。
お久しぶりです。
1年以上、放置していました。
毎回言ってますが、今度こそ頑張ってアップして行きます。
ちなみに本ブログでは「㈱太閤染革」の情報も発信しますが、基本的に「マブの個人的なブログ」ですので、あしからず。
「太閤染革」のインスタグラムもありますので、そちらもお願いします。
さて、1年ぶりの再開で何のネタを書こうか?
そういえば前に、とあるテレビショッピングで
「貴重なモラレスパイソンを贅沢に使用したバッグ」
と声高々に言っている放送をみて、
「あれ?、大丈夫?」
と思ってしまったことがありました。
なぜなら、そのバッグに使用している革はモラレスパイソンではなく、ダイヤモンドパイソン。
ネットでパイソンの製品をググってみると、先ほどの例とは逆にモラレスパイソンをダイヤモンドパイソンと表記しているところもあり、ちょこちょこ間違っているのがありました。
こういう間違いはどこで起こるのでしょうか?
例をあげると
「販売店さんに知識がなく、仕入れたメーカーさんからモラレスと言われた」
「メーカーさんは革問屋からモラレスとして購入した」
「どうせ消費者はわからないし、ダイヤモンドだけどモラレスで売っちゃえ」
などなど、どこで間違えたか、わざと間違えたかはわかりませんが・・・
まぁでも、購入する側が正しい知識を持てば問題なし!!
ということで、復活一発目はモラレスパイソンとダイヤモンドパイソンの違いです。
以下、太閤染革HPの説明文より抜粋
★ダイヤモンドパイソン
一般名:アミメニシキヘビ 商業名:Reticulated Python
全身にダイヤ型の連続的な斑紋・模様があるところから、ダイヤモンドパイソンと呼ばれています。皮質の丈夫さや、大きさの点では利用度も高く、他の皮革には見られない美しさと、ワイルド感があります。この種の最大のものは、体長10メートルもあります。
ダイヤ型の斑模様を最大限に活かしたFront Cut Type(F/C) と、蛇腹を活かしたBack Cut Type(B/C) があり、バッグ類、小物類、靴、ベルト等に幅広く利用されています。
生息地は、タイ、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、マレー半島、インドネシア、フィリピン、中国南部等、アジアの熱帯地方に広く分布しています。
先日ペットのニシキヘビが脱走した事件はこのダイヤモンドパイソンです。(写真 wikipedia より)
★モラレスパイソン
一般名:ビルマニシキヘビ 商業名:Molurus Python
全身に不規則な図形模様があり、その個性的な斑紋模様が、ファッション界で人気を得ています。
皮質の丈夫さ、サイズが大きいなどの利点もあり、アミメニシキヘビ(ダイヤモンドパイソン)と共に、ヘビ革の主力として、幅広く各種製品に使用されています。 沖縄の蛇皮線は、この皮が使用されています。
一般的に雌の方が雄より大きく、最大では7メートルに達したものもいます。
幾何学的な斑模様を活かしたFront Cut Type(F/C) と、蛇腹部を活かしたBack Cut Type(B/C) があり、バッグ類、小物類、靴、ベルト等に幅広く利用されています。
生息地として、インド、ミャンマー、タイ、ボルネオ島、ジャワ島、スンバワ島、セレベス島、中国南部等の熱帯地方があげられます。
気性が荒いダイヤモンドパイソンに比べて、とても温厚な性格もあり、動物園などで肩に乗せて写真を撮ったりしている大蛇はこちらのモラレスパイソンです。(写真 wikipedia より)
それでは、ダイヤモンドパイソンとモラレスパイソンを革で比べてみましょう。
まずは「F/C フロントカット」
左はダイヤモンドパイソン 規則的なダイヤのフ模様
右はモラレスパイソン 不規則な幾何学のフ模様
次に「B/C バックカット」
左はダイヤモンドパイソン 蛇腹のウロコの幅が広い
右はモラレスパイソン 蛇腹のウロコの幅が狭い
フ模様を観れば違いは一目瞭然ですが、脱色にすると正直見分けは難しいです。
あえて見分けるとしたら、ウロコの形が微妙に違います。
さて、以上が外見的な違いですが、バッグや財布を製造するメーカーさん視点で見たときにモラレスパイソンとダイヤモンドパイソンの最大の違いがあります。
それは
「モラレスパイソンの方がダイヤモンドパイソンより寸胴」
というのがあります。
これはどういう意味かというと、モラレスパイソンの方がダイヤモンドパイソンに比べて、
頭→胴→尻尾にかけて幅があまり変わらない。
「モラレスパイソンの方が「頭と尻尾の幅」と「胴の幅」と差が少ない」
「ダイヤモンドパイソンの方が「頭と尻尾の幅」と「胴の幅」の差は大きい」
この特徴はメーカーさんからすると、とても重要なポイントです。
いわゆる「歩留まり」っていうやつに関係してきます。
では、ここで検証してみましょう。
(※今回の検証はあくまでも例であって、実際は一枚一枚の個体差があるのでA4とB5の型が必ず検証枚数取れるという保証はありません。)
左がB/Cモラレスパイソン 2.95m
右がB/Cダイヤモンドパイソン 3.45m
同じ31cm幅の革でダイヤモンドパイソンの方がモラレスパイソンより50cmほど長いです。
A4とB5の紙を縦に置いてみました。
少しでもはみ出したら紙を置かないルールです。
結果
モラレスパイソンは A4×6枚 B5×3枚
ダイヤモンドパイソンは A4×5枚 B5×3枚
となりました。
同じ幅のサイズの場合ダイヤモンドパイソンの方がモラレスパイソンより長いので、紙の置いてないところでダイヤモンドパイソンはB5サイズ以下の型を取ることが出来ますが、B5サイズ以下の型が必要ない場合はどうしてもロスになってしまいます。
パイソン革は「m単価」での取引きなので、単価的にはモラレスパイソンの方がダイヤモンドパイソンより少し割高なのですが、製造する製品によってはロスが出ない分、モラレスパイソンの方がお得だったりする場合があります。
もちろん、頭と尻尾の部分で小物を取って、胴部分でバッグを取る場合はダイヤモンドパイソンの方が良かったりもしますが、一般的に
「モラレスパイソンの方がダイヤモンドパイソンより歩留まりが良い」
という特徴があります。
いずれにしても、
「B/Cダイヤモンドパイソンの蛇腹のウロコが広いからバッグを作ると迫力が出る」
「モラレスパイソンのフ模様の方が小物にしたときにバランスが良い」
など、メーカーさん達で作りたい製品によって、使用する革を使い分けて財布やバッグを作っています。
結局はメーカーさん次第ということです。
さて、そんな歩留まりの良い寸胴で使い勝手の良いモラレスパイソンですが、20年ほど前はパイソン革の主流でした。
しかし、現在ではパイソン革と言えばダイヤモンドパイソンが主流です。
ではなぜ、モラレスパイソンが主流ではなくなり、現在のダイヤモンドパイソンが主流になったのでしょうか?
それはいくつかの理由があります。
ちょっと、再開一発目でいきなり長文になってしまったので、続きは次回のブログで。
ちゃんと続き書きますので、今後とも本ブログよろしくお願い致します。